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■2017年版センター試験・数学入試問題集

はじめに
書店で参考書・問題集を見ていて驚いたことがあります。「センター試験過去数年分の問題集」がないのです。25年分や52年分のものはありますが、それらの本は「教える側」のためのものであり、「高校生が数学の進捗に合わせて解いてみるための問題集」「受験生がセンター試験の受験前に解いてみるための問題集」がまったくないのです。
センター試験は中間・期末試験レベルの問題であり、その準備と並行して勉強しておくと、もっとも効率が良いのですが、これを怠って、3年生になってから数Ⅰ~数Bを勉強し直すという、ものすごく効率の悪いことが行われています。そしてそのための「センター試験対策の参考書」は山ほどありますが、効率が悪いことこの上ありません。センター試験対策を高校2年までに数学履修に平行して済ましておけば、数Ⅲ履修開始時には2次試験対策に集中することができます。
しかしそのための問題集がありません!
また、高校生はふつうは青チャートなどの参考書をもって受験勉強しますが、そのような受験生には「センター試験対策の参考書」は屋上屋を重ねて極めて非効率です。数学の受験準備は、「1つの参考書」に絞って準備すべきであり、センター試験対策には「問題集」のみが必要で「参考書」は不要です。
しかしそのための問題集がありません!
本書は「高校生が数学の進捗に合わせて解いてみるため」「受験生がセンター試験の受験前に解いてみるため」に、直近5年分の数Ⅰ・数Aの全問を分野ごとに分類し、類題分析をまとめて制作しました。「センター試験で何が問われるのか」を知るのに早すぎるということはありません。
またセンター試験の空欄は題意を素早くつかむには大きな障害なので、大半の問題は普通の記述式に改題しました。この方が、中間・期末試験の準備に平行するには好都合です。問題はオリジナルのままのものを「問題一覧」に掲載してあるので、実線そのままに解いてみることもできます。
大問1問を10分以内で解いて、残った時間を検算に当ててください。
●本書の特長
本書は、高校数学の履修に平行してセンター試験準備を済ますため、あるいは受験生が早い時期にセンター試験対策を素早く済ますための「負担の小さな問題集」です。2次試験対策を始めるよりはるか前に、小さな負担でセンター試験準備を済ますことができる問題集です。その特徴は次の通りです。
(1) 最新5年分の本試験問題を分野別に掲載
(2) 泥臭い解法を中心に、試験場でも書ける解答を掲載
(3) 問題文を2種類表示(後述)
(4) 問題を小問に分解して分野ごとに掲載
(5) 解答の前に必ず問題文を掲載
(6) オリジナルの問題文は、過剰な空白を削除して見やすくレイアウト
(7) 配点や選択問題などの情報は省略
●2種類の問題文表示
センター試験、特に数学の問題には、いくつかの問題があると思います。

  • (1) 「穴埋め式」であるために問題文が非常に長くなり、題意をつかみにくい
  • (2) 実際に解いてみなければ難易度がわからない(斜め読みができない)
  • (3) 解法の許容範囲が限定されていて、解きにくい
  • (4) 前問の解を次の問題に利用する場合、問題が読みにくくなる

そのため、本書では2種類の問題文を用意しました。
高校での数学履修に平行して解く場合には、解答冒頭に掲載してある「改題形式」または「出題文そのままの形式」の問題文を見て解いてください。「改題形式」とは次のようなものです。

  • (1) 穴埋め式ではない形式で、問題を短く読みやすく提示する
  • (2) 問題の意図をわかりやすくし、解き方を限定しないように問題文を工夫する
  • (3) 誘導を若干減らして、2次試験的な記述式問題に改める
  • (4) 小問構成を増やしたり改めたりする

どちらの形式で掲載するかは、わかりやすさを優先して、その問題ごとに選んであります。センター試験直前に、オリジナルの形式で解くには、「入試問題一覧」の章に掲載した問題文で再度解いてください。
●出題傾向とその対策
各分野の先頭に近いページにコラムで問題傾向をまとめてあります。多くの問題は教科書レベルの対策で十分ですが、高得点を確保するためには、特に「整数問題」「順列と組合せ」と「図形と計量」「平面図形」の対策がカギになるでしょう。これらの分野は参考書の全問のトレーニングが必須です。

是非本書で、驚くほどの短時間に、センター試験対策を済ましてください。

2017年2月

目次
第1章 数Ⅰ
[数と式]
「変数+その逆数」のパターンの問題 (2017年)
●数Ⅰの出題傾向:数と式
平方根を含む対称式の問題 (2013年)
対称式の計算と恒等式を求める問題 (2014年)
4次式を複2次式の積に因数分解する問題 (2015年)
[集合と論理]
有理数・無理数に関する集合の問題 (2016年)
●数Ⅰの出題傾向:集合と論理
集合の包含関係に関する問題 (2014年)
命題の論証に対偶を利用する問題 (2013年)
自然数に関する必要条件・十分条件を判断する問題 (2012年)
自然数に関する命題の反証を示す問題 (2015年)
実数に関する命題の真偽を判別する問題 (2017年)
[1次関数・2次関数]
1次関数の最大値・最小値の問題 (2016年)
2次関数の最大値・最小値に関する問題 (2015年)
●数Ⅰの出題傾向:1次関数・2次関数
2次関数の最大値・最小値に関する問題 (2012年)
2次関数の最大値・最小値に関する問題 (2014年)
2次関数を二重に使った問題 (2017年)
面積を表す2次関数の問題 (2013年)
[方程式と不等式]
2次方程式の実数解の問題 (2012年)
判別式が同じ2つの2次方程式の問題 (2013年)
1次不等式を満たす整数の数の問題 (2012年)
連立1次不等式の問題 (2014年)
●数Ⅰの出題傾向:方程式と不等式
連立2次不等式の問題 (2013年)
連立2次不等式の問題 (2016年)
絶対値記号付きの2次不等式の問題 (2014年)
不等式を証明し平方根の近似値を求める問題 (2012年)
[図形と計量]
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2016年)
●数Ⅰの出題傾向:図形と計量
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2016年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2015年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2014年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2014年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2013年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2017年)
余弦定理・正弦定理を適用する問題 (2013年)
角の三等分線を考える問題 (2012年)
[データの分析]
相関関係と箱ひげ図の問題 (2017年)
●数Ⅰの出題傾向:データの分析
相関関係と箱ひげ図の問題 (2016年)
ヒストグラムと箱ひげ図と分散・共分散・相関係数の問題 (2015年)
ヒストグラムと箱ひげ図と分散・共分散・相関係数の問題 (2016年)
散布図と分散・共分散・相関係数の問題 (2015年)
度数分布表における平均・分散・共分散・相関係数に関する問題 (2014年数Ⅱ・B)
度数分布表における平均・分散・共分散・相関係数に関する問題 (2013年数Ⅱ・B)
相関表における平均・分散・相関係数に関する問題 (2012年数Ⅱ・B)
第2章 数A
[順列・組合せと確率]
マス目の塗り分けの組合せの問題 (2015年)
●数Aの出題傾向:順列・組合せと確率
街路移動の重複するものがある順列の数の問題 (2014年)
カードを取り出す順列の数と確率の問題 (2013年)
カードを取り出す組み合わせの数と確率の問題 (2012年)
条件付き確率の問題 (2016年)
条件付き確率の問題 (2017年)
[整数の性質]
n進法の問題 (2016年)
ユークリッドの互除法の問題 (2016年)
約数・平方数とユークリッドの互除法の問題 (2015年)
●数Aの出題傾向:整数問題
自然数の桁ごとの数をあつかう問題 (2017年)
[平面図形]
幾何定理のオンパレードの問題 (2016年)
●数Aの出題傾向:平面図形
方べきの定理やメネラウスの定理を利用する問題 (2015年)
方べきの定理・メネラウスの定理・内接円の問題 (2017年)
内接円・外接円と方べきの定理と重心に関する問題 (2012年)
第3章 数Ⅱ
[方程式と不等式]
複2次方程式と因数定理の問題 (2016年)
●数Ⅱの出題傾向:方程式と不等式
4次方程式と因数定理と二項定理の問題 (2017年)
指数方程式を3次方程式に帰着して解く問題 (2013年)
3次方程式の複素数解に関する問題 (2013年)
因数定理と3次方程式の複素数解に関する問題 (2012年)
3次方程式のやさしい問題 (2015年)
3次方程式の解が存在する範囲の問題 (2014年)
[三角関数]
三角関数の対称式の問題 (2017年)
●数Ⅱの出題傾向:三角関数
三角関数の恒等式と方程式の問題 (2016年)
7倍角の三角関数の問題 (2015年)
半端な角度の三角関数の最大値・最小値の問題 (2014年)
半端な角度の三角方程式の問題 (2013年)
半端な角度をあつかう三角関数の最大値の問題 (2012年)
[指数関数・対数関数]
指数・対数とそれらのグラフに関する基礎問題 (2016年)
●数Ⅱの出題傾向:指数関数・対数関数
指数関数連立方程式と相加平均≧相乗平均の問題 (2015年)
指数・対数不等式を満たす自然数の問題 (2014年)
対数不等式のやさしい問題 (2012年)
対数関数の最小値を求める問題 (2016年)
[図形と方程式]
対数関数の内分点と対数計算の問題 (2017年)
●数Ⅱの出題傾向:図形と方程式
対数関数の内分点と対数計算の問題 (2017年)
三角形を重心を通る直線で切った場合の面積の問題 (2012年)
三角形の外接円に関する問題 (2016年)
線分の内外分点と原点を含む円の問題 (2013年)
x軸と直線に接する円の問題 (2014年)
2つの対称点の内分点の集合の問題 (2015年)
[微分法と積分法]
2次関数の接線などが囲む領域の面積の問題 (2017年)
3次関数の微積分の問題 (2014年)
●数Ⅱの出題傾向:微分法と積分法
3次関数の微積分の融合問題 (2012年)
微分係数から面積積分までの総合問題 (2015年)
2つの放物線と2つの直線が囲む面積の問題 (2016年)
3次関数の微積分の融合問題 (2013年)
第4章 数B
[数列問題]
等比数列から始める複雑な問題 (2017年)
●数Bの出題傾向:数列問題
群数列の問題 (2016年)
[漸化式問題]
数列の一般項を求める問題 (2012年)
数列の一般項と部分和を求める問題 (2014年)
●数Bの出題傾向:漸化式問題
数列の一般項を求める問題 (2013年)
2nの1の位の数の数列の問題 (2015年)
[平面ベクトル]
六角形上の平面ベクトルの総合問題 (2017年)
●数Bの出題傾向:ベクトル
平面ベクトルで解くひし形の問題 (2015年)
平面ベクトルで解く平行四辺形と三角形の面積の問題 (2013年)
[空間ベクトル]
四面体のベクトル方程式問題 (2016年)
直交座標を表すベクトルの問題 (2012年)
立方体の辺上に頂点をおく平行四辺形の問題 (2014年)
[確率分布と統計的な推測]
7個の球から白球を選び出す操作の問題 (2015年)
●数Bの出題傾向:確率分布と統計的な推測
さいころを2回投げて得点を最大にする問題 (2015年追試)
標準化変量と信頼区間の推定の問題 (2015年追試)
正規分布と母平均の信頼区間の問題 (2015年)
直線上のランダムウォークの確率過程に関する問題 (2016年)
二項分布の正規分布近似と連続確率分布の問題 (2017年)