東大入試問題で数学的思考を磨く本 | 京極一樹の数学塾

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『東大入試問題で数学的思考を磨く本』

todai.giftodai.gif著者:    京極一樹
発行所:   アーク出版
発行日:    2013/9/10
頁数:    248頁
本体価格:  ¥1500(税抜)

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はじめに
東大の入試問題というと、非常にむずかしそうに聞こえますが、中には中学生レベルの知識でも解ける問題があります。本書の最初の問題は2003年理系の第6問です。
円周率が3.05 より大きいことを証明せよ。
たったこれだけです。たった1行のこの第6問を見たときの受験生の驚きを想像してみてください。たぶん、笑い出した受験生もいたことでしょう。ふつうは最低でも 5~10行、多ければ20行以上のときもあります。それがこのたった1行です。解説は本編で述べますが、この問題は、「円周率とは何か」を理解していなければ解けません。しかし逆に、円周率の意味がわかってさえいれば解ける問題です。

[本書の構成]
本書の1章では「中学生レベルの知識でも解ける問題」を、2章では「高校で習う初歩的知識で解ける問題」を紹介します。3章以降は、東大入試ではほぼ必ず出題される、「整数」「確率」「グラフと図形」「微積分」の問題を分野ごとに整理しました。
これらの中で特に重要な要素は、幾何と整数の問題です。4章で紹介しますが、「幾何は中学数学なので出題されない」と思ったら大間違いで、高校数学を適用すると難問になってしまうのに、幾何で考えると難なく解けてしまう問題がかなりあります。
整数問題は、高校数学の知識だけではほとんど解けません。「学習指導要領」に記載されている「約数と倍数、ユークリッドの互除法、方程式の整数解、二進法、分数と小数の関係」などからは思いもつかない問題が出題されます。どう対処するのかをみているのでしょう。
[もう一度数学を!]
高校・大学を卒業して何年かたった社会人の方々は、昔の数学を振り返ってみると、どのように感じられるでしょうか。最近は、高校数学をもう一度やりなおす方々が増えています。「高校時代は数学が嫌いだったけれど、今やってみたら、昔ほど嫌ではない」「子供に教えなければならないのでやってみたら、昔よりよくわかる」…。
そうなんです。数学は、離れたら忘れるのはしかたがありませんが、年を経て戻ってみると、社会人として成長した部分は無関係なのですが、高校のころよりは記憶力、忍耐力、持続力が格段に伸びていて、意外と解けてしまうものなんです。筆者も今の方が、線型代数が簡単に見えますが、これと同じではないでしょうか。

[どうして東大入試問題か]
冒頭にあげた円周率の問題もそうですが、東大数学にはやさしいものからむずかしいものまで数多くの良問があり(悪問があることも否めませんが)、おもしろい内容が実に豊富です。ちなみに本書では、良問と悪問を次のように考えています。
1 高校数学レベルの思考力を問う問題…良問
2 高校数学レベルを逸脱する難解すぎる問題…悪問
3 制限時間では到底解けそうもない問題…悪問
良問をもう少し細かく述べると、
○教科書レベルの知識で、制限時間内で解ける問題
○暗記公式だけでは解けない論理的思考を測れる問題
○暗記公式だけでは解けない複数のステップが必要な問題
となります。さらに、筆者の好みも含めて、
○設問が短い問題
○解き方がシンプルで文系でもわかり、思考の鍛錬になる問題
を取り上げます。あまり長い問題や、むずかしいだけの問題は、読者諸兄の好むところではないでしょう。

[数学的思考と東大入試問題]
どうも最近は「数学的思考」というと、多くが「論理的思考」をそれとみなしているようにも思われます。たしかに「論理的思考」は「数学的思考」の一部なのですが、それだけを「数学的思考」と考えるのには反対です。また、「やったことがある→解き方を思い出した」は数学的思考力によるものではありません。これは「記憶力」によるものです。数学的思考力とは、「問題の意味がわかる→解き方が見える」という力です。
「数学的思考」とは「数学を使って考える」ということであり、この場合には数学は1つのツールです。数学者にとっては命を懸ける学問なのですが、一般人にとって数学は「ツール」といっていいでしょう。そしてこのツールが、物事の推定・推論や判断・決断には非常に重要なファクターとなるのです。
特に数学の入試問題には、例外を除いて図がありません。これは東大の入試問題に限りません。文章から意味するところを理解して、図を描いて解く…、問題を解く力だけではなく、文章を理解する力も問われているわけです。
そして数学の問題には、「答えは1つ」しかありません。そこが安心できるところです。そして解答では、そこにいきつく論理的な思考経路を次の点に注意して示さなければなりません。
○すべての数学の理論に照らし合わせて、いかなる矛盾もないこと
○その矛盾がないことを論理的に証明しながらすすめること
○読む人にわかりやすいこと
このような態度は、一般社会のさまざまな分野で必要な考え方です。たとえば、人事考課は数学的思考だけで済ませられるものではないと思いますが、合理的な予算やプレゼンテーションなどにおいては、数学的思考は必須のファクターでしょう。

[本書における解答と解説]
筆者が学生のころは、東大入試問題の解説書は極めて少なく、傾向と対策もほとんどなく、まるで「魔界の問題」のように畏怖を覚えたものですが、最近は予備校などから多くの解説書や問題集が出されています。その分、最近の受験生はしあわせなのですが、しかしそれらの解答例は、専門家が何時間もかかって書いたであろう、美しく完全な解答であり、それも要点だけしか書かれていません。そんな解答を受験生が試験会場で書けるはずがありません。もっと泥臭く、あっちこっちに引っかかりながらたどり着く解答が必要です。それは社会人の方々にとっても同様です。
本書では、計算はできるだけ「目で追えるように」「省略しないで」書きました。また解答例には、考えられるだけの図を示し、別解も思いつくだけ書きました。

本書が数学的思考のトレーニングの一助となれば幸いです。
2013年8月 筆者

[目次]

第1章 中学生レベルでも解ける問題

1 円周率の意味がわかれば解ける  「円周率>3.05」を証明せよという問題
2 内容的には中学入試問題よりも簡単か?「コマ大数学科」で出題された50年前の問題
3 当たり前に思えることをどう証明するか 東大入試史上もっとも簡単といわれた問題
4 ピタゴラスの定理で解くか重心で解くか 中学生でも解ける? 空間図形の問題
■ 入試問題に図が少ない理由

第2章 高校で習う初歩的知識で解ける問題

●2次方程式と2次関数
1 三角関数と不等式・領域がわかれば解ける 教科書レベルの典型問題
2 座標平面にある座標はすべて実数! 近年もっとも簡単と言われた問題
3 図が描けて円の方程式が書ければ解ける  円のやさしい問題
4 図が描ければ解ける  回転角と整数の問題 
5 長文問題の中には驚くほど簡単な問題がある 円の円周・長さと数列の問題
6 同じ記号が続くかどうかで確率が変わる  あまりに簡単な確率の問題

第3章 分析力を鍛える確率の問題

● 確率問題は何を求めているのか
1 出目と余りの関係を分析する サイコロと割り算と数列の問題
2 出目の積と約数の関係を分析する  サイコロと約数と数列の問題
3 ブロックをm個積むとは何を意味するのか  「m 回続けて成功する確率」の問題
4 すべて色がそろうにはどんなことが必要か 「n回目に初めて成功する確率」の問題
5 奇偶での配置の違いに気がつくか めずらしく図があるマルコフ過程の問題

第4章 発想力を求めるグラフと図形の問題

● グラフと図形の問題は何を求めているのか
1 解けるなら簡単な方がいい! 頻出「相加平均>相乗平均」で解ける問題
2 状況分析は慎重に! 相加平均≧相乗平均では解けない問題
3 いろんな解法に挑戦しよう! 角度をあつかう正三角形の問題
4 かならずしも角度が出ると思うな 三角関数の振幅の問題
5 幾何では解けない問題を三角関数で解く 正弦定理と余弦定理を組み合わせる問題
6 余弦定理以外の三角関数を発想せよ! 長さの2乗を使うと解けない問題
7 ベクトルは角度に強い! 図形の角度にベクトルの内積を使う問題
8 ベクトル問題の稀代の名問:  内分点にベクトルを使う問題

第5章 論証力を問う整数問題

● 整数問題は何を求めているのか
1 2桁整数は10a+b、 3桁整数は100a+10b+cで考える
2 連続する整数には共通因数はない! 「隣り合う整数は互いに素」で解く問題
3 想像力が問われる新記号問題は ふつうの数との関係をどう表すかが課題
4 方程式の数が未知数の数より少なくとも 整数解なら得られる

第6章 試行錯誤と予測を楽しむ微積分の問題

● 微積分の問題は何を求めているのか
[文系微積分]
1 文系微積分は基礎知識の確認…その1 図が描ければ解ける積分の問題
2 文系微積分は基礎知識の確認…その2 図さえ不要の簡単な積分の問題
3 文系問題でも場合分けはキビシイ! それさえわかれば容易な積分の問題
[理系微積分]
4 垂線の長さの公式は覚えていますか? 円の中心と弦による三角形の面積の問題
5 視点のダイナミックな切り替えが必要! 縦横を切り換えると非常に簡単な問題
6 これぞ計算問題、うまい置き換えが重要! むずかしそうで非常にやさしい定積分の問題
7 文章題から立体イメージが想像できるか 空間想像力を試す体積の問題
8 理系頻出、起きる現象が想像できるか 回転体の体積を求めるやさしい問題
9 断面積をどうやって求めるかが鍵 回転体の体積を求める稀代の名問
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