素粒子の世界 | 京極一樹の数学塾

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『こんなにわかってきた 素粒子の世界』

e_particles.jpg著者:    京極一樹
発行所:   技術評論社
発行日:    2008/9/26
ISBN:     4774136247
頁数:    四六版264頁
本体価格:  ¥1,580(税抜)

はじめに

われわれがふつう触れるものは、「分子」「原子」と呼ばれるもので、これらがふつう「物質」と呼ばれるものを構成しています。これより小さなものは人の目には触れません。目には見えないけれども「電子」までなら、利用しているものは身の回りにあります。これに対して「原子核」「陽子」「中性子」さらには「陽電子」「ニュートリノ」というと、もうまったくふつうの生活には縁のないものですね。これらの粒子は広い意味で「素粒子」と呼ばれるものです。ところでみなさんは、この「素粒子」の分野では日本は世界の最先端を走っている、ということをご存じですか?
ここで、素粒子の物理学の分野における一連の日本人物理学者の方々の功績をあげてみましょう(敬称略)。

○長岡半太郎 長岡・ラザフォード原子模型を提唱(第1章参照)。
○湯川秀樹 陽子と中性子との間に作用する核力を媒介する中間子の存在を予想(第3章参照)。1949年ノーベル物理学賞受賞。
○朝永振一郎 場の量子論の相対論的定式化や量子電磁力学の発散を解消する「くりこみ理論」など(第3章参照)。1965年ノーベル物理学賞受賞。
○佐藤勝彦 インフレーション宇宙論など、宇宙物理学に素粒子物理学を融合させた理論の研究。
○小柴昌俊 天体物理学、特に宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献(第3章参照)。2002年ノーベル物理学賞受賞。
○南部陽一郎 自発的対称性の破れ(第5章参照)と量子色力学の基礎の構築など(第4章参照)。2008年ノーベル物理学賞受賞。
○小林誠・益川敏秀 小林・益川行列の提案によるCP対称性の破れの説明と6種クォークの提案(第5章参照)。2008年ノーベル物理学賞受賞。

今から30年前にはほとんど交流のなかった「素粒子」の科学と「宇宙」の科学の分野は、最近は非常に緊密になり、大統一理論構築への努力が協力して行われています。素粒子物理学の「物質の根源は何か」という研究対象と、ビッグバンで生成した後の宇宙の物理はどのようなものであったかという「宇宙物理学」の1つの分野の研究が「ほぼまったく同じもの」であることがわかったためです。

そして間もなく「ヒッグス粒子」が発見されると多くの物理学者は考えています。これまでの加速器などによる実験によって、物質の最小単位である素粒子やそれらの間に働く力は、素粒子の「標準模型」と呼ばれる理論でよく記述されることを本書で解説しますが、この理論において重要な要素であり、素粒子が質量を持つために必要だといわれている「ヒッグス粒子」はまだ検出されていません。

また、宇宙の暗黒物質の観測から、「重力も含めたすべての力を統一する究極の理論」に必要とされる「超対称性粒子」が存在する可能性も指摘されています。同じく究極理論で要請される「余剰次元」の効果も、現在の加速器で得られるエネルギーより少し大きいエネルギー領域で見えてくる可能性が最近指摘されています。
これらの疑問に答える新しい大型加速器が、2008年の夏にスイスの「欧州原子核研究機構」(CERN)で稼働を開始する「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)というシステムです。この実験には日本からも多くの研究者が参加しています。
本書では、「物質は何からできているのか」「素粒子とはどんなものか」をできるだけわかりやすく解説しました。「クォーク模型」や「標準模型」、そして「CP対称性の破れとB中間子」のことをわかりやすく書いた書籍がなかったことが本書を書き始めた発端です。

当初は「高校1年生、つまり物理をやっていない諸兄」を狙ったのですが、偏微分方程式やその解説を削ることができず、もう少しレベルが上がってしまったのが残念です。本書が、素粒子について学びたい、という高校生・大学生初学者、そして社会人諸兄の「最初の本」になれれば、そしてもっと詳しいことを学びたいという渇望を引き起こすことができれば幸甚です。
最後に、本書の著作に際して多大なご協力を頂戴した高エネルギー加速器研究機構広報室の森田室長、さまざまなご助言を頂戴した技術評論社の西村俊滋編集長、菊池猛氏に心から御礼申し上げます。
筆者
第1章 素粒子の発見の歴史
1・1 素粒子とは何か
1・2 原子は何からできているのか
1・3 電子の発見と電気素量
1・4 放射線の歴史と功罪
1・5 原子の構造を探る
1・6 原子核の構造を探る
1・7 原子の放射性崩壊と半減期

第2章 量子論から量子力学へ
2・1 プランクの量子論(エネルギー量子化)
2・2 アインシュタインの光量子仮説
2・3 ボーアの量子論(原子模型)
2・4 物質の波動とは何か
2・5 量子力学の始まり
2・6 シュレーディンガー方程式の対象
2・7 波動関数の解釈と観測問題
2・8 ハイゼンベルグの不確定性原理
2・9 パウリの排他原理とは何か

第3章 量子力学から場の量子論へ
3・1 量子力学の相対性理論への拡張
3・2 ディラック方程式の意義
3・3 素粒子の右巻き・左巻きとは
3・4 場の量子論とは何か
3・5 場の量子論とファインマン図
3・6 核力と中間子論
3・7 ベータ崩壊とニュートリノ
3・8 ニュートリノの種類と特徴

第4章 クォークとレプトン
4・1 クォークやレプトンとは何か
4・2 クォーク模型とは何か
4・3 ストレンジ・クォークの登場
4・4 クォークの質量と素粒子の質量
4・5 カラーやグルーオンとは何か
4・6 残る3つのクォークとヒッグス粒子

第5章 CPの破れから標準理論を越えて
5・1 クォークの崩壊とB中間子
5・2 素粒子反応における保存量
5・3 CP対称性の破れの理論と実験
5・4 4つの力と標準理論
5・5 標準理論の構成と大統一理論への道のり

第6章 加速器入門
6・1 加速器とは何か
6・2 粒子のエネルギーと加速器のしくみ
6・3 完成間近の超大型加速器LHC

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