たかだか12パターンの整数問題 大学数学入試問題 | 京極一樹の数学塾

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たかだか10-12パターンの整数問題

「整数問題」は一種の総合問題であり、方程式、整数の性質、2項定理、数学的帰納法など、さまざまな分野の知識を総動員する問題ですが、教科書で整数問題はほとんど扱われておらず、逆にいうと「準備しやすい総合問題」です。また、「むずかしいとわかれば避けられる問題」でもあります。
整数問題の面倒な点は「どの方法を使えばよいのかわかりにくい」という点です。だからこそ、公式一辺倒では解けない問題を出してくるわけです。また、「新記号問題」としてもよく出題されます。
しかし整数にも次のような特徴があり、これらを利用して解きます。
● 最低限1つおきのとびとびの値をとる
● 素因数の積に分解できる⇒約数・倍数の関係を利用する
● 余りで分類できる

整数問題も、パターンを理解すれば、数列・級数問題と同様に対策可能な問題群です
完全対策 整数問題はこの分野の問題をわかりやすく解説しています。

整数問題の10-12種のパターン

整数問題は次の10パターン、細分すれば12種のパターンに分類できます。

[1]不定方程式や不等式の問題
本来は解けない問題を、整数という条件を適用して因数分解・素因数分解などを利用して解く問題です。もっとも代表的な整数問題といえます。

[2]ユークリッドの互除法と2元1次不定方程式
最新の学習指導要領から導入されて、最近2年ほど出題されています。ユークリッドの互除法の原理とその整数1次不定方程式の原理を利用して解きます。この種の問題は別の頁ユークリッドの互除法と1次不定方程式で解説します。

[3]桁ごとの数を未知数とおいて求める
各桁の数を1桁の未知数とおいて、不定方程式の手法を使って解く問題です。多くは計算問題となって解きやすくなります。

[4]剰余類を利用して解く
2、3、6などの整数で割った余りによって整数をグループ化し、この手法によって解く問題です。この「割り算」が問題文に見えなくとも、この手法が適用できる問題が数多くあるので、困ったら適用してみるのが得策です。

[5]約数の数と合計の問題
約数の数と総計の計算は公式を利用します。計算できるなら整数問題を解くのは容易です。

[6]新記号問題としての整数問題
ガウス記号などの新記号問題は既習の数学とどう関係づけるかが課題です。

[7]約数・倍数・素数の総合問題
約数・倍数・素数の性質を使って解く整数問題もあります。

[8]隣り合う整数は「互いに素」の定理を使う
このあたりから、証明が難しい問題多いので厄介です。

[9]整数係数多項式の問題
この種の問題は、整数問題の中の大きな分野です。整数多項式の割り算の問題は、整数問題の中で特に大きな分野です。

[10]数学的帰納法・背理法を使って証明する
正面切って解けない整数nの絡んだ問題はこれで解きます。有理数・無理数の問題nなど、整数nが出てこない問題は背理法を使って証明します。

●他の分野との融合問題
整数問題と融合されるのは、同じく整数をあつかう「二項定理」「数列・漸化式」「確率」などの問題です。
○整数数列の問題
数列を使い、添え字の大きな数を出して解かせる問題です。
○2項定理を利用して解く
定理に慣れていないと添え字が複雑なので解きにくい問題です。

[1]不定方程式・不等式として解く問題

不定方程式とは、方程式の数よりも未知数の数が多い方程式であり、一般的に、方程式の数と未知数の数が同じ場合にはかならず方程式の解が定まりますが、方程式の数が未知数の数がより少ない場合は、解が1つに定まりません。そしてここで「整数」という条件があれば整数解解が定まることがあります。そして整数問題が不定方程式に帰着できる場合には比較的簡単な問題です。同様に不等式の場合も、得られる範囲から整数解が得られます。

不定方程式にもヒントがあります。
●整数と自然数はどう違う?
「自然数」とある場合は、かならず「自然数は正の整数」という条件を利用します。
●与えられた条件はかならず使う。
「2より大きい」などという変わった条件があったら、「その条件を使わなければ解けない」ということです。
●2次式の場合は、置き換えと次の組合せを考えます。

  • 解の公式・判別式
  • 因数分解・素因数分解
  • 平方和に変形

[例題]
EX1Q.gif
EX2Q.gif

[入試問題]
[B]計算で解ける整数に関するさまざまな小問題
Various1Q.gif
[C]整数の3乗差の整数問題(2005年京大)
2005KyodaiQ.gif
[C]整数の3乗差の整数問題(2009年一橋大)
2009HitoQ.gif
[B]因数分解と素因数分解で解く問題(2013年一橋大)
2013一橋大1Q.gif
[B]平方根=nとおいて因数分解と素因数分解で解く問題
root1Q.gif
root2Q.gif

[C]2次方程式の素数解の問題(2013年獨協医大)
2013年獨協医大1Q.gif
[C]対称型の不定方程式を解く問題(2017年一橋大)
2017年一橋大2Q.gif

●分数和の問題
[A]分数和の整数問題(1998甲南大他多数)
1998甲南大他Q.gif
[B]分数和の整数問題(2011年一橋大)
2011HITOQ.gif
[B]オイラーの多面体定理の問題(2010年阪大)
2010阪大理系1Q.gif
[E]調和級数に関する整数問題の難問(2016年阪大理系)
2016年阪大理系4Q.gif

●3次式の問題
[B]3次式の整数問題(類題:2004年東京女子大)
2004TKJoshiQ.gif
[D]x^n+y^n+z^n=xyz(2006年東大文系・理系)
2006TodaiQ.gif
[C]不定方程式の解の数を求める問題(2013年日大/医)
2013日大/医2Q.gif
○整数方程式の問題:方程式の解を整数に限る問題も頻出です。
[C]複素数も絡んだ整数方程式(2002年京大/理系)

●不等式の問題

[B]2次不等式の整数問題(2008年一橋大)
2008HitoQ.gif
[B]不等式を使う整数問題(2002年京大文系)
2002KyodaiBunkei_5Q.gif
[B]不等式を使う整数問題(2012年慈恵医大)
2012年慈恵医大11Q.gif
[B]2次式・3次式の整数不等式の問題(2015年東大文科)
2015TodaiL1Q.gif
[C]不等式で解く整数の問題(2016年一橋大)
2016年一橋大1Q.gif
[C]不等式を使う整数問題(2017年慈恵医大)
2017年慈恵医大3Q.gif
[C]三角関数の整数問題(2017年京大文系4理系3)
2017年京大文系4理系3Q.gif

[2次式の分類]
2次式「ax^2+2bxy+cy^2+dx+ex+f」は次のいずれかを表し、その結果実数の範囲は()の中に表示した範囲になります。ただし回転がかかっているので一意的には言えません。これらに整数や自然数の条件が合わさると、有限数の格子点に限られます。

  • 2つの直線の積(x,yともにすべての実数)
  • 楕円(x,yともに有限区間)
  • 双曲線(一方が2つの無限区間、一方がすべての実数)
  • 放物線(一方が1つの無限区間、一方がすべての実数)

この件の詳細は、いつか「線型代数入門」で解説します。

●3次式や分数になると定型的な方法はなくなり、グラフも判別式も使えない反面、そうむずかしい問題は出なくなるので、次のいずれかの方法で解けるはずです。

  • 因数分解・素因数分解
  • 場合を尽くす

[3]桁ごとの数を未知数とおいて求める計算問題

計算して解ける整数問題はやさしい問題です。桁数はふつうは対数であつかいますが、整数の桁数の問題の多くはこの手法で解きます。
[例題]
EX3Q.gif
[入試問題]
[B]2桁の自然数を10a+bとおく問題(2011年関西大理系)
2011年関西大/理系45Q.gif
[C]2桁の整数を10a+bとおく問題(2007年東大文系)
2007年東大文科3Q.gif
[C]3桁の整数を100p+10q+rとおく問題(2004年東大理系)
2004TodaiQ.gif
[C]2桁の自然数を10a+bとおいて解く問題(2007年東京女子大)
2007年東京女子大Q.gif
[B]n進数と対数の融合問題(2016年京大/文系3)
2016年京大文系3Q.gif

[4]剰余類を使う問題

整数の証明問題では、数式で証明できるものがあればこれは「ラッキー」です。「3の剰余類」(n=3m+k、k=0,1,2)は、かならず試すべきテクニックです。
[例題]
EX7Q.gif
[入試問題]
[B]3の剰余類を利用して倍数性を証明する問題(2001年京大文系)
2001KyodaiQ.gif
[B]3の剰余類を利用する証明問題(2013年大阪大理系)
2013年大阪大3Q.gif
[B]3の剰余類を利用する証明問題(2004年早稲田大政経)
2004年早稲田大/政経3Q.gif
[C]3の剰余類を利用して最小値を求める問題(2014年京大理系)
2014KyotoS5Q.gif
[A]ユークリッドの補題などの証明問題(2010年神戸大文系)
ユークリッドの補題:
ある素数が 2 つの数の積を割り切れるなら、2 つの数の少なくとも 1 つはその素数で割り切れる。
2010KoubeQ.gif

[5]ガウス記号などの新記号問題

「~を~で表す」という新記号問題の多くは、それを何か計算できる方法で表すのがキーポイントであり、これによって計算問題に持ち込めます。そうするとそんなにむずかしくなくなります。

[D]整数にかかわる新記号問題(2008年東大理系)
2008TodaiQ.gif
中高から入試問題では頻出の問題ですが、大学入試の場合は剰余類が絡んできます。これらはガウス記号の問題のツボで解説します。
[C]割り算にかかわる新記号問題(2017年昭和大/医Ⅱ)
2017年昭和大/医231Q.gif

[6]約数の数や合計の問題

約数の問題は別に頁を用意しました。

[7]約数・倍数・素数の性質を使う問題

●素数の問題
素数とは「自身と1以外に約数を持たない自然数」です。不定形な問題が多く、さまざまな方法を使って解きます。
[例題]
EX4Q.gif

[入試問題]
[C]素数の性質を使って解く不定方程式(2007年京大文理共通)
2007Kyodai_3Q.gif
[D]2以外の素数は奇数と3の剰余類を利用する問題(2014年一橋大)
2014一橋大1Q.gif
[A]素数性の計算での証明問題(2006年京大理系)
2006KyodaiQ.gif
[C]条件を満たす素数を求める問題(2016年京大理系)
2016年京大理系2Q.gif

●倍数の問題
[例題]
最大公約数と最小公倍数の例題
LCMGCM例題Q.gif

[入試問題]
[C]最大公約数と最小公倍数の問題(2015年東工大)
2015東工大5Q.gif
[B]整数数列の問題(2014年東工大1)
2014年東工大1Q.gif
[D]3のn乗の整数問題(2016年東大文科)
2016年東大L4Q.gif
[C]整数階乗の割り算の問題(2016年東工大)
2016年東工大4Q.gif
[C]整数漸化式の問題(2008年東大文科)
2008年東大文科4Q.gif
[D]整数漸化式の問題(2010年一橋大)
漸化式を使うと自然に大きな添え字の数列の問題を作ることができます。
2010HITOQ.gif
[C]約数の差が2の整数を列挙する問題(2012年阪大理系2)
2012阪大理系2Q.gif
[C]割り切れる確率の問題(2013年一橋大)
2013一橋大5Q.gif

[8]「隣り合う整数は互いに素」を使って解く問題

この定理は、整数論上で常識中の常識なのですが高校の教科書にはありません。ですから使ってよいかどうかは微妙な問題です。試験においては、常識と考えて解いて、時間が余ったら証明しておく、くらいの話でしょうか。この定理を使うと、後は多くは約数・倍数を使う計算問題になります。

●「隣り合う整数は互いに素」の証明

「互いに素」ということは「共通の約数が1以外にはない」ということであり、「共通な約数があるとしたら1」ということを示します。逆にいうと、2つの整数に1以外の公約数がある場合は、その差は2以上です。
証明はかなり論理的で最初はとっつきにくいでしょうが、我慢してください。

隣り合う整数をn、n-1とし、これらに共通な約数mがあるとすると、a、b、mを正の整数として、
   n=ma、n-1=mb
と書けます。すると、辺々減じて、
   n-(n-1)=m(a-b)
となります。しかし左辺は「n-(n-1)=1」となるので、この関係式が成立するためには、a、b、mが正の整数であることから、
   m=a-b=1
しかない、すなわち共通な約数mは1、ということになります。2つの整数の共通因数が差1の約数でなければならないので、共通因数は1しかないということです。

[例題]
EX5Q.gif

[入試問題]
[C]「隣り合う整数は互いに素」で解く計算問題(2005年東大)
2005TodaiQ.gif
[B]「隣り合う整数は互いに素」で解く証明問題(2012年東大理系)
類似しているのですが、数式の割り算で解いてしまう問題です。
2012TodaiQ.gif

[10]証明問題

多くは「背理法」や「数学的帰納法」を使う問題です。そしてこれらが整数問題に限らず、証明手段の代表格です。

数学的帰納法で証明する問題
数学的帰納法には整数nが必要です。その意味で整数問題にはこれを使った証明問題がよく出るということになります。
[例題]
EX6Q.gif
[入試問題]
[B]5の倍数であることを証明する問題(2013年東工大)
2013年東工大11Q.gif
[B]整数と無理数に関係する証明問題(2013年静岡大/理系)
2013ShizuokaQ.gif

背理法で証明する問題
ある命題を証明する際に、その命題が正しければ、その命題の否定を仮定して話をすすめるとつじつまが合わなくなります。これによって, もとの命題が成り立つと結論する論法を背理法といいます。有理数・無理数の問題の多くは背理法で証明します。

[例題]
EX8Q.gif
[入試問題]
[C]背理法で割り切れることを証明する問題(2012年京大/理系)
[B]「隣り合う整数は互いに素」で解く数式の問題(2013年京大文系)
2013KyodaiL3Q.gif
[C]背理法で互いに素を証明する問題(2013年京大/理系)
2013KyodaiS3Q.gif
有理数・無理数の問題は別の頁有理数・無理数の問題にまとめました。

[C]背理法と数学的帰納法で証明する数列の問題(2017年東大文理共通)
2017東大理科4文科4Q.gif

2項定理と二項係数の問題

この種の問題は別の頁二項定理と二項係数の問題で解説します。

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